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国原譜

絵本が子供だけのものでないと認知されて…

 絵本が子供だけのものでないと認知されて久しい。わざわざ「大人のための」と称する作品すらある。

 絵本好きの大人の心を刺激しそうなのが、県立美術館で開催中の「ブラティスラヴァ世界絵本原画展―BIBで出会う絵本のいま」。昨秋、スロバキアで開かれた世界最大規模の絵本原画展の入賞作などを公開している。

 色彩やものの捉え方などにお国柄が見えたりもするが、技法や画材、表現などに国境はなく実に多彩。詩情豊かなものはもとより、子供の目線で対象物を見たり、遊び心に富んでいたりと、それぞれ異なる味わいを持っている。

 文章がない分、より想像力の幅が広がるのも魅力。自分なりのストーリーを描きつつ絵を追えば、思考は際限なく広がっていく。

 言葉、文章と絵が融合し、人気を得る作品もある。ただ今回は、絵だけで十分に心を満たし、ざわつかせる絵本の世界の底知れぬ魅力をあらためて感じさせられた。

 館内には出版された絵本が置かれ、一部は原画と対比できる。個人的には質感が伝わる原画の方が味わい深い。思索に出向くにはいい時節でもある。(智)

 

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