金曜時評

地方議員の発掘を - 編集委員 山下 栄二

 来年4月には統一地方選が行われる。そろそろ水面下で候補擁立の動きが活発となってきているが、地方議員は若い世代のなり手不足が全国的に深刻化しており、本県でも同様だ。18歳選挙権が施行(平成28年6月)されて初の統一地方選となるが、まだまだ若い世代の政治への関心は盛り上がりに欠ける。地方議員の若手人材発掘が課題となっている。

 地方議員の老後保障を手厚くするため、自治体職員と同じ扱いで厚生年金加入を認める案について、全国の地方議会議長の51%が賛成していることがこのほど、共同通信のアンケート調査で明らかになった。賛成の理由は「子育て世代の若い人たちに挑戦してもらえる」「働き盛りの会社員が退職して議員活動に専念するには必要」などとなっている。

 全国の町村議員は平成27年の統一地方選で改選定数の22%が無投票と、なり手が不足。昨年7月時点で60歳以上の議員が75%を占めており、高齢化も進む。県の町村議会議員の現状をみても、リタイアした人か兼業の人が数多くを占めている。

 選挙に出馬すると選挙費用がかかり、当選できるかは分からない。それに引退後の生活不安もあるというのではリスクが大きく、いかに意欲があっても若い世代や働き盛りの層が議員を目指すことに二の足を踏むのは当然ではないか。議員の厚生年金加入については、新たな公費負担の発生や、議員優遇など反対意見があるが、何らかのなり手不足対策は喫緊に考えなければならないだろう。

 県内の高校生が議員として発言する県高校生議会が21日開かれ、荒井正吾知事に空き家対策や働きやすい社会づくりについての質問、提言があった。今年で8回目で、県内の自治体でも同様の催しが増えてきている。若者が地方政治に触れ、議会の仕組みを知るきっかけになるのではないか。

 ただ、これだけでは「議員の仕事」を知るには不十分だろう。職業教育の一環として、美容師、調理師、新聞記者など職業人が小中学校で体験を話す授業がある。政治的に中立性を保たなければならないからだろうか、議員の出前授業は聞いたことがない。現役議員が無理なら、引退した議員に議員活動の実際や、やりがいを話してもらう機会があってもいいのではないか。

 地方議員の資質がとりざたされているが、社会は優秀な議員を発掘、育成する努力を怠ってはならない。

 

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