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国原譜

本紙生活面の「雑記帳」に、御所市の90…

 本紙生活面の「雑記帳」に、御所市の90代の女性から投稿を頂いた。「五尺の生命(いのち)ひっさげて 国の大事に殉ずるは われら学徒の面目ぞ」。早朝目覚めた頭の中に、なぜか軍歌が浮かぶという。

 一日のことではない。同じことは毎日のように続いて医師に尋ねても原因は分からないのだという。

 20歳前後で終戦を迎え、出征した学徒は同年代。冒頭の軍歌は「ああ紅の血は燃ゆる」だが、「他にも多くの軍歌が出てくるのは太平洋戦争中に学生だったからだと思う」と書いていた。

 投稿は歌詞そのものが多く、「雑記帳」への掲載が難しかった。ただ、2月に掲載された投稿を読み、6人きょうだいの長女であること、16歳で父を亡くされたこと、座右の銘が「忍耐」であることを知った。

 広島、長崎の原爆忌が過ぎ、今年も終戦の日がやってくる。戦争を生身で知る世代に、この季節はどのような記憶を呼び起こすのだろう。

 連載「平和運動の新たな後継者」が始まった。平和を願う高校生の熱い思いは、青春を軍歌に重ねる世代から、大河のように受け継がれものに違いない。(増)

 

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