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金曜時評

来年の結果次第だ - 論説委員 北岡 和之

 来年春の統一地方選(知事選、県議選など)、同夏の参院選を控え、県内の政党や各首長、議員らの動きが活発化し始めた。政党予定候補者の発表も相次いでいるほか、県議会では議員定数等検討委員会の論議が現行定数44から1減(生駒郡選挙区の定数を3から2に減)の43とすることで固まった。開会中の6月定例議会で可決されれば、来春の県議選から定数43で行われる。

 来年の選挙戦に向けた体制整備面で最も大きく動いたのが自民党県連。これまでの県連4役(幹事長、総務会長、政務調査会長、組織広報委員長)のうち、組織広報委員長を4役から外し、新たに選挙対策本部長を4役に加えるというものだ。選対本部長はこれまでも衆参両院選挙や自治体首長選挙などで、その都度人選されてきたが、選対本部を常設の組織とする。

 奥野信亮・県連会長(党比例近畿衆院議員)はその狙いを「これから1年半、選挙がめじろ押し。その対応のため」とするが、要は「選挙は常在戦場」の意識を党員・支持者に徹底し、議席増につなげたいのだ。

 昨年10月の衆院選で自民党は大勝。これによって県内では初めて、衆参両院議席の完全制覇を果たした。この成果を持続させたいという思いが、奥野会長に選対本部の常設化へと向かわせたのだろう。こうした思いは役員人事の面でも表れた。本紙の取材に対し、奥野会長は県連4役の担当替えは行うとしたが、いずれも県議の現4役内部(奥山博康幹事長、荻田義雄総務会長、中村昭政調会長、粒谷友示組織広報委員長)の担当交代だけで済ませる意向を示した。理由は「昨年の衆院選で実績を残した4氏を役員から外す必要がない」だ。

 これも一つの見識だろう。だが、県内の地方選挙を振り返れば、昨夏の奈良市長選をはじめ敗戦も多い。県連内部の不統一が表面化した選挙もあった。加えて党県議団はいまだに会派が3分裂のままで、県連4役だけでなく県議会役員の構成も1会派に偏っている。奥野会長の持論は「県議会の会派は自民党内に派閥があるのと一緒。政党としてはまとまっている」だが、水面下ではさまざまな思いがくすぶる。

 一度は政権を担った旧民主党勢力の分解を踏まえた「野党の大きな固まり」づくりが先を見通せない中でも、必ずしも自民党支持が強固とは言えない。来年のことを言えば鬼が笑う。それは承知で、高齢化が際立つ自民党県議団が来春の県議選でどのような結果を残しているだろうか、と思う。

 

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