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国原譜

奈良市の西部、富雄川沿いに三碓という地…

 奈良市の西部、富雄川沿いに三碓という地名がある。これでみつがらす―と読むのは知っていたが先日、同地を訪れた際に初めて由来を知った。

 米をつく大陸風の石うす「三ツからうす」が語源だという。根聖院という寺の境内に解説板が設置されており、勉強不足を恥じつつ面白く読んだ。

 地元ではよく知られた故事なのだろう。奈良時代に聖武天皇が名付けたというから由緒正しい。地名には歴史と謎が秘められている。学生のとき聴いた池田末則先生の地名学講義を思い出す。

 と同時に漢字が持つ魅力にも目が向く。ひきうすは臼と書くが、きねでつく「からうす」は碓となる。さらに加わる読み方の妙は日本語ならでは。

 県内ではないが大阪府交野市の私市。きさいち―と読むのは私が妃と同じきさきの意味だからだという。その妃とは推古天皇だという説を聞いたが、漢字の意味や使われ方の変遷も興味深い。

 最近は文字を手書きする機会が減っているが、日本の多彩な漢字文化は大切に。きょうは奈良市で今年度1回目の日本漢字能力検定が行われる。挑戦者の健闘を祈りたい。(松)

 

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