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国原譜

「ツバメが巣を作る家は栄える」とことわざ…

「ツバメが巣を作る家は栄える」とことわざにある。ツバメが人の生活空間で巣作りするのは、カラスなどの外敵からひなを守るためといわれる。守ってくれるはずの人間が、あろうことか巣を壊す事件が斑鳩町であった。

 鳥獣保護法違反容疑で逮捕された34歳の男は、「落とすのが楽しかった」と供述している。商店のひさしの下にあった巣をビニール傘で壊し、落ちたひなをさらに傘でなぶったという。

 春になると、玄関先がふんで汚れないよう、巣の下に箱を置いた光景を目にする。毎年来るのだろう。「軒先をどうぞ」とツバメを迎える温かい目線に心が和む。

 東京で5歳の女児が両親の虐待を受け、十分な食事も与えられずに死亡した事件が頭をよぎった。「ゆるしてください」。女児が両親に向けてつづったノートは、涙なしには読めない。

 包み込み、保護してくれるはずの人が、忌まわしい虐待の加害者となる。二つの事件はどこかつながる。

 奈良公園では、首に矢のようなものが刺さった鹿が13日に保護された。誰もが持っているはずの、当たり前の優しさが恋しくなる。(増)

 

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