国原譜
鉛筆サックをご存知だろうか。短い鉛筆を…
鉛筆サックをご存知だろうか。短い鉛筆を最後まで使い切るために、鉛筆の後ろにさして長さを延長させる道具だ。筆者の新入社員時代、上司からこんな話を聞いた。
「トヨタ本社は、サックを使えなくなるくらい鉛筆が短くなって、それと交換でしか、新しい鉛筆を社員に渡してくれない。おまえらはすぐ新しい鉛筆をくれという」。
この逸話は、鉛筆のほかボールペン編もあり、どうも都市伝説くさいのだが、上司としては「トヨタのような大企業でさえ1円の経費も無駄にしていない」と言いたかったのだろう。
創業から現在までのトヨタの歴史を紹介する「トヨタ物語」(野地秩嘉著、日経BP社)を読んで、かつての上司の言葉が鮮明によみがえった。
今や世界を席巻した感のあるトヨタ式生産方法とは何か。在庫を持たない「かんばん」方式、現状で満足せずに、つねに自分で考え無駄を省く「カイゼン」。
進化を目指す合理主義だ。自動車会社関連の本というと、新エンジン開発とか自動車レースの血湧き肉踊る内容が多いが、生産方式がメインとはいかにもトヨタらしい。(栄)
「トヨタ本社は、サックを使えなくなるくらい鉛筆が短くなって、それと交換でしか、新しい鉛筆を社員に渡してくれない。おまえらはすぐ新しい鉛筆をくれという」。
この逸話は、鉛筆のほかボールペン編もあり、どうも都市伝説くさいのだが、上司としては「トヨタのような大企業でさえ1円の経費も無駄にしていない」と言いたかったのだろう。
創業から現在までのトヨタの歴史を紹介する「トヨタ物語」(野地秩嘉著、日経BP社)を読んで、かつての上司の言葉が鮮明によみがえった。
今や世界を席巻した感のあるトヨタ式生産方法とは何か。在庫を持たない「かんばん」方式、現状で満足せずに、つねに自分で考え無駄を省く「カイゼン」。
進化を目指す合理主義だ。自動車会社関連の本というと、新エンジン開発とか自動車レースの血湧き肉踊る内容が多いが、生産方式がメインとはいかにもトヨタらしい。(栄)