国原譜

 高松塚壁画の修復事業が続いている。平成19年の石室解体から10年あまり。文化庁は作業の2年延長を決め、きのう開かれた検討会に報告した。

 同壁画が発見された当時を思い出す。その鮮やかな彩りに日本中の人々が目を奪われ、本物を見れなくても、保存のためなら仕方ないと理解した。

 ところが壁画は、いつの間にか劣化していた。飛鳥美人と評された女子群像もカビに侵され、すっかり色あせた姿に衝撃が走った。そして議論が沸騰する中で事態は解体修理へと急展開する。

 千数百年にもわたって止まっていた時間が、壁画が人目に触れた瞬間から、再び動き始めたかのようだ。その時間を修復作業で逆戻しできるのか。

 以前は世間が知らないうちに劣化が進んでいたが、今は衆目注視の中で壁画の再生が取り組まれている。形ある物はいずれ滅びるが、歴史遺産の保存と活用の問題は壁画だけにとどまらない。

 文化庁はあと2年かけて絵の下地を補強する。次の課題はその先。壁画自体の継承はもちろん壁画と出会ったときの感動も次代へと残したい。劣化と修復の教訓も忘れず。(松)

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