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金曜時評

大きな塊になる? - 論説委員 北岡 和之

 昨年10月の衆院選で自民党が大勝。県内でも衆院1~3区と近畿比例の「奈良県枠」1議席を合わせた4議席を獲得。既に参院県選挙区の2議席も得ており、衆参両院における独占となった。野党はこれに対抗する政治勢力の形成が最大の使命だが、今もなお先の見通せない状況が続いている。

 かつて3人の首相を送り出して政権の座についたこともある旧民主党が民進党、立憲民主党、希望の党などに割れ、有権者の戸惑いを深めるばかりの事態は深刻だ。

 来春の統一地方選(知事、県議選などがある)や参院選(県選挙区の改選数1、任期満了平成31年7月28日)に向けて立候補予定者の擁立作業が急がれるが、そもそもどの政党から立つのかさえ確定していない。このままでは、県議選で旧民主党を支持した有権者が拡散し、最終的には雲散霧消といった事態にもなりかねない。

 県内では県議4人など地方議員を抱える民進党県連(藤野良次代表)が主導権を握りたいところだが、前回の県議選に出馬した旧民主党のメンバー(現在は民進党所属)らが今月10日、立憲民主党の福山哲郎幹事長を招いての「対話集会」を予定。集会の趣旨については「ばらばらになった旧民主党勢力の課題や展望について、県民レベルでも論議すること」とする。立憲民主党の県組織設立が目的ではないと強調するが、先は分からない。水面下で「立憲民主の県組織設立やむなし」の声も小さくない。

 また希望の党は、県内の野党で唯一の衆院議席を死守してきた馬淵澄夫氏をはじめ、衆院選で同党から県1~3区に立った3氏が全敗。同党が集めた比例区の県内8万5千余票を託した有権者を失望させた。今は動きもほとんど見られない。

 加えて、旧民主党勢力を支える労働組合の中央組織、連合も混乱気味。先日は傘下の自治労の中央委員会があり、「立憲民主党、民進党への支援・協力を基軸」とする運動方針案を承認した。背景には自治労の組織内議員、江崎孝氏が立憲民主党に所属したことがある。自治労県本部は「中央と地方との温度差もある。政党側がどういう方向へ行くか、動きを見守るしかない」と戸惑いを隠さない。連合奈良の西田一美会長は自治労出で、頭の痛いことだろう。

 県内で見ている限り、3党に広がりが感じられない。政権奪取を目指す大きな塊を作るって本気かな? うまく言えないけど、動きもアピール力も足りない気がする。動いていれば良い知恵も出て来るのでは。

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