特集2024年春の高校野球奈良大会速報

国原譜

天理市の黒塚古墳をご記憶だろうか。未盗…

 天理市の黒塚古墳をご記憶だろうか。未盗掘の石室内から「卑弥呼の鏡」とも呼ばれる三角縁神獣鏡が33枚出土し、考古学ファンならずとも、邪馬台国を夢見て熱狂した。

 今年は考古学史に残るその調査から20年の節目にあたる。県立橿原考古学研究所付属博物館では記念の特別展も開催中だ。出土した銅鏡をはじめ、武具などの鉄製品も展示されている。

 黒塚古墳の翌年にはキトラ古墳で壁画が確認されるなど、数々の考古学的成果に沸いた県内だが、黒塚古墳を超える熱狂を知らない。3日間にわたる現地説明会の来場者は3万人を超えた。

 空前の現地説明会は、橿考研の調査研究部長だった河上邦彦氏の「出土状態を現地で見せる」というこだわりによるところが大きい。遺物の盗難を防ぐため、橿考研の所員は連日現地に泊まり込んだ。

 手法には賛否あろうが、来場者は4世紀の竪穴式石室を遺物入りで目にする幸運に恵まれた。

 それら遺物にはいまだ用途が謎のものもある。U字形やY字形の鉄製品だ。報告書の発行も近いと聞く。20年を経て、研究がさらに進むと期待したい。(増)

 

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド