国原譜

 90歳を迎えた女性に人生を振り返ってインタビューする機会があった。県立桜井高等女学校に入学したのは昭和15年。卒業後に進学した天理女子語学専門学校(現天理大学)を含め、青春は太平洋戦争と重なる。

 専門学校時代は京都府宇治市にあった飛行機の工場に動員され、桜井市から毎日通った。空襲警報が鳴って防空壕(ごう)に避難したが、トイレに行った女学生が爆撃で死亡した。

 「女学生もトイレの建物も、何もなくなっていた。むごいことです」。旧制畝傍中学校でも、名古屋市の軍需工場に動員された学生が空襲で多数犠牲になったという。防空壕を焼夷(しょうい)弾が直撃した。

 名古屋の悲劇は旧制畝傍中出身の男性からも聞いていた。男性の2年先輩に当たる学生で、犠牲者は13人に上ったという。

 己の生が戦争とどう重なるか、自身では決められないその先に、生死の境が待っていた。交錯する2人の記憶がそれを教えてくれる。

 本紙の連載「風化に抗う」は、戦争を風化させまいと活動する人々の記録である。毎年訪れる終戦の日が、記憶を刻む石づちとなる。(増)

 

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