金曜時評

自民県連が正念場 - 論説委員 北岡 和之

 今ごろになって何をじたばたしているのだろう。誰の目にも、そう映っているに違いない。告示まで1カ月に迫った奈良市長選(7月2日告示、9日投開票)への自民党県連(会長・奥野信亮衆院議員)の対応は何ともぶざまだ。これが政党なるものの実態を象徴していると言っては同党中央や他党などに失礼かもしれないが、推して知るべしの感なきにしもあらず、では。

 4年前の前回選挙で惜敗(実質的には候補者調整の失敗による惨敗)した自民党県連としては、既に市議会での論戦などを踏まえて「現職に勝てる候補」を選び出していなければならなかったはず。時間は十分あっただろうに、この間、市議団を核とした市支部、衆院選をにらんだ第1選挙区支部、そして県連までの一貫した選挙戦略のようなものを全く感じられなかった。

 関係者の話などによると、遅くとも昨年夏ごろまでには第1選挙区支部で奈良市長・市議選の取り組みを本格化させていたらしい。そして具体的な立候補予定者名も挙がり始め、10月以降には有力候補も取りざたされたという。これまでに名前の挙がったのは7人程度とされるが、それがどういう経緯で消えていったのか。政策協定をめぐって意見交換するほどまでに煮詰まったケースがあったのかどうかも気にかかる。

 本紙によると、同党県連はあす3日に選挙対策会議を開くという。事実なら、第1選挙区支部段階での協議終了である。党推薦・支持候補を決められなかったということであり、あとは県連にお任せということになる。ただ、小林茂樹支部長が「(出馬を)交渉中の人がいる」と話しているといい、奥野・県連会長がなお候補探しの意思を示し、自主投票・不戦敗の回避に取り組んでいるとも伝わる。同支部段階での協議は不発に終わったとしても、さらに努力を続けるというなら、ひとまず耳を傾けるしかあるまい。結論は別として政権与党らしい、内容のある表明を聞きたいものだ。

 県都の市長・市議選が終わり、今国会で衆院の小選挙区割りを見直す公選法改正案が成立すれば、次期総選挙に向けた各政党県支部組織の見直し作業が本格化することになる。自民党県連は7月下旬で奥野会長の3期目任期満了を迎える。加えて、奥野氏は衆院選比例代表の党の内規による年齢制限(73歳)にもひっかかる。

 奥野氏が県連内に広がる不協和音を封じられるかどうか。会長職の進退論議に及ぶのが、奈良市長選への対応だ。

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