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銀座のママから古社の宮司に 異色の経歴持つ村山さん、7月14日に奉告祭 - 奈良県御所市の駒形大重神社

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宮司に就任した村山陽子さん=9日、御所市楢原の駒形大重神社

 東京・銀座のママなど異色の経歴を持つ村山陽子さん(59)が、奈良県御所市楢原の駒形大重神社の宮司に就任した。同神社は平安時代中期の古文書「延喜式」にも記された高い格式を持つ。14日には宮司就任を祭神に知らせる奉告祭が営まれる。

 

 村山さんは東京都港区在住。長野県松本市出身。8~17歳までは、橿原市や大和高田市で過ごした。家計を助けるため大阪へ出て働き、23歳のときに北新地のクラブのママになり29歳で独立。40代はアラブ首長国連邦のドバイで起業、その後7年間アフリカに通ってマラリア抑制のために国際的に活動するが、うまく行かず失意の日々を過ごす。

 

 50歳で再び会社を立ち上げ銀座で高級クラブを経営。クラブの客から神社検定の話を聞き、もともと神社好きだったことから挑戦。受験会場の国学院大学(東京都)で神職に就くために学ぶ学生たちを見て、自身も入学して神道を深く学びたいと考えるようになったという。

 

 2019年に一念発起して受験し同大神道学専攻科に見事合格。修了後さらに学びを深めるため、博士課程に進み大嘗祭を研究、在学中は茨城県の神社に奉職して実技を学びながら、今年3月に前期課程を修了した。

 

 県内の国会議員秘書の勧めで、50年間他の神社と兼任した前任の西窪宏二宮司から引継ぎ4月1日に駒形大重神社宮司に就任した。長年、神社を守ってきた地域の氏子総代らにも面接を申し出て了承を得たという。村山さんは「一人でも嫌だと思う方がいれば受けないつもりでした。皆さまに受け入れていただけてありがたい」と話す。

 

 また、恩師である奈良大学名誉教授で、国学院大学教授(特別専任)の上野誠さんは「いつも、授業で目を輝かせてた学生さんが、万葉の地、奈良の古社の宮司になるとは、思ってもみませんでした。今までのキャリアを生かしながら、走り続けてくれると信じています」と期待する。

 

 「子ども時代を過ごした奈良県の神社にご縁をいただけてうれしい。これまでの人生で大変だったこともすべて必要な経験だったと今は感じている」と村山さん。

 

 「鳥居をくぐったら嫌なことも全部忘れてすがすがしい気持ちになっていただけるようなお宮にしたい。地域の方に喜んでもらえるよう、一生懸命ご奉仕したい」。奈良盆地を見渡せる高台に鎮座する同神社には村山さんの笑顔のような優しい風が吹き渡っていた。

 

 14日午後3時からの奉告祭では、山本能楽堂から山本章弘さんと山本麗晃さんが神歌、ソプラノ歌手の新藤昌子さんが国歌を奉納する。

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