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塼仏、川原寺跡地の弘福寺に「里帰り」 来年の発掘50周年を記念し8月に特別公開 奈良県明日香村

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川原寺跡の弘福寺で8月に特別公開される三尊塼仏(明日香村教育委員会蔵、弘福寺画像提供)

 飛鳥時代の大寺院、川原寺を荘厳した塼仏(せんぶつ)が8月1日から、奈良県明日香村川原の同寺跡、弘福(ぐふく)寺で特別公開される。来年の発掘50周年を記念し「里帰り」する。同31日まで。

 

 日本書紀によると、川原寺は673(天武天皇2)年に初めて写経が行われた。藤原京の時代には飛鳥寺や薬師寺、大官大寺とともに四大寺に数えられた。建立年代は不明だが、斉明天皇が営んだ川原宮の故地に、天智天皇が母斉明を供養するために建立したとする説が有力視されている。

 

 1974(昭和49)年、川原寺寺域北西の裏山で発掘調査が実施され、千数百点の三尊塼仏が出土。塼仏は型押しした粘土を焼いて作った板状の仏像で、川原寺の中金堂内の壁面を飾ったと考えられている。

 

 今回、当時の発掘調査で出土して明日香村教育委員会が所蔵する塼仏1点を、中金堂跡の上に建つ弘福寺で公開することになった。

 

 扇谷明英住職は「長年の夢がかなった。飛鳥時代に中金堂があった場所で本物を拝観する特別感を味わいながら、川原寺に思いをはせていただければ」と話す。

 

 拝観時間は午前9時から午後5時まで。入山料は大人500円、子ども200円、幼児無料。

 

 8月5日には相原嘉之・奈良大学准教授を講師に招いて講演会がある。午後1時から。参加費1000円(拝観料、資料代として)。要事前申し込み。

 

 申し込みは弘福寺、電話0744(54)2043。メールkawaharadera.12c@gmail.com

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