1日、開園記念日を迎えた奈良市水門町の名勝依水園・寧楽美術館(田代佳子館長)は、広く同園に親しんでもらおうと特別料金の記念入園券を発行、多くの来園者でにぎわった。

　同園は1958(昭和33)年6月1日から現在のような一般公開を開始した。園内の三秀亭では記念イベントとして、煎茶美風流(中谷美風家元)の「文人趣味の煎茶席」がコロナ禍以来4年ぶりに開催された。茶席に文房をしつらえ、参加者らは、茶や書画を楽しんだ明治、大正、昭和初期の文人交流の雰囲気を味わった。

　中谷家元は「気楽にのんびりと新緑の庭を眺め、大和高原の新茶の香りを楽しんでください」と話した。

　生駒市から来園した女性(59)は「お茶は花のような香りがして、おいしかった。お菓子もすてきだった」と笑顔を見せた。

　寧楽美術館回廊ではこの日のみ「依水園のあゆみ」のパネル展示もあった。同館では7月24日まで、人々が集い、語らいの中で生み出された美術作品を紹介する企画展「集いの美」を開催中。