東大寺、コロナ終息願い3年間 「正午の祈り」に幕 「一緒に手を合わせるだけで心の支えになった」感謝の声
奈良市雑司町の東大寺で、新型コロナウイルスの早期終息を願って毎日営まれていた「正午の祈り」が31日、終了した。
「正午の祈り」は感染拡大が広まった2020年4月から毎日実施。同寺から全国の社寺に向けて「共に祈ろう」という呼びかけも行われ、賛同の輪が広がっていた。
この日は、大仏殿の廬舎那仏(るしゃなぶつ、大仏)前で最後の祈とうが営まれ、コロナ禍の確かな終息とともに、再び疫病が発生しないよう祈りがささげられた。大仏殿では多くの参拝者が共に手を合わせていた。
同寺の橋村公英別当は「感染状況が落ち着いてきた今、今後への期待も込めて終えることになった。また新たな気持ちで協力を始めようという前向きな気持ち」と説明。「祈とう中は静かになったり、思いを合わせて合掌してくださる人もいた。共感してくださる人も多いと感じた」と振り返った。
最終日と知って参拝に訪れた奈良市に住む60代の自営業女性は「3年間祈りを共有してくださり、すごくありがたかった。正午に一緒に手を合わせるだけで心の支えになった」と感謝していた。
県内の他の社寺では、吉野町の金峯山寺が「広い意味ですべてがよくなるように今後も正午の祈りを続けていく」、奈良市の春日大社は「終息祈願の祝詞は引き続き続けていく」としている。