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天理・大和神社の「ちゃんちゃん祭り」 江戸時代の神輿修復終え初披露

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約1年かけて新調された「ちゃんちゃん祭り」の神輿=27日、天理市新泉町の大和神社

 奈良県天理市新泉町の大和神社で、神幸祭「ちゃんちゃん祭り」のお渡りの行列があす4月1日、4年ぶりに営まれる。2台の神輿(みこし)うち、江戸時代の元禄期に作られた神輿を老朽化などに伴って2021年に修復。今年初めて祭りでお披露目される。

 

 同祭は神社の春の伝統行事で「県無形民俗文化財」に指定。お渡りの行列の先頭が鳴らす鉦(かね)の音が「ちゃんちゃん」と聞こえることから「ちゃんちゃん祭り」の名で親しまれる。室町時代から続くとされ、旧大和郷の成願寺、兵庫、長柄、新泉、岸田、佐保庄、三味田、萱生、中山の九つの町によって支えられてきた。

 

 修復された神輿は「本神輿」と呼ばれるもので、元禄6(1696)年に作られた。大規模な修理は初めてで、ほとんどの部材を取り替えて新調に近いという。費用は九つの町の住民有志が出し合った。

 

 総務を務める同市中山町の松井得造さんは「コロナによって世の中は一変したが、こんな時だからこそ家族、地域のつながりが大切」とし、「時代の移り変わりを感じるが、新たな神輿がこの先も脈々と歴史と伝統を未来へ引き継いでいってくれると思う」と語る。

 

 塩谷陸男宮司は「祭りの『ワッショイ』という掛け声は、和を背負うというのが語源といわれる。いろいろと難しい時節ではあるが、祭りを通して地域の和からもっと大きな和が広がっていけば」と思いを込めた。

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