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奈良クラブ試合サマリー J3第3節

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ボールを前へ運ぶ持ち味の推進力を発揮してチームを活性化させた寺村(右)=©NARA CLUB 19日、長野Uスタジアム 

奈良クラブ 3―0 AC長野パルセイロ

 

▽得点者 【奈】浅川隼人、山本宗太朗、寺村浩平

 

▽順位 10位 

 

 

【戦評】

 

 奈良クラブは3―0でAC長野パルセイロに完封勝ちし、Jリーグ初勝利を挙げた。 

 

 奈良クラブは前半27分にGKアルナウからのロングフィードのボールに抜け出した浅川が先制。後半17分にはゴール正面で山本がこぼれ球を押し込み2点目。同31分には右サイドからペナルティーエリアに侵入した寺村が左足で豪快に放り込み試合を決めた。

 

 

【記者の目】

 

 完璧な試合内容だった。長野は3―1―5―1の布陣で中盤が厚く、奈良は4―3―3。中盤の攻防がカギとなるとみていたが、奈良は選手間のサポートがよく、ボールを持った相手を複数で囲い込んでボールを奪い、ショートパスを駆使して局面を打開。さらにサイドチェンジの長いボールで長野を揺さぶり試合を支配した。

 

 前半は長野の圧力に押されたが、ひたむきな走りでボールを奪って押し返し、長短のパスを散りばめたことで、後半は奈良がゲームを支配した。

 

 前半の先制点はGKアルナウのロングフィードから。昨年も同じような形からゴールが生まれており、この先制点は奈良の選手たちの気持ちを楽にしたことだろう。

 

 この日は右サイドバックの寺村が奮闘。2点目の起点になり、3点目は自ら奪った。

 

 本来は中盤の選手だが、チーム事情で昨年はセンターバックを務め、伊勢とのコンビで結果を残した。終盤には右サイドバックの都並が累積警告で出場が出来ず、急きょ右サイドバックを務めたところ、好プレーを見せたことで、今季は開幕から先発出場を続けている。 この日は右サイドを駆け上がり、クロスボールを前線に供給し、2点目を演出。さらに自らペナルティーエリアに侵入して豪快に3点目を決め、フリアン監督の期待に応えた。

 

 左ウインガーの嫁阪が好調で、右サイドバックの寺村が機能したことで攻撃の幅が広がったのが好結果につながった。

 

 守備はブロックを作り、未然にピンチの芽をつんだ。最終ラインと中盤、さらに前線との距離がほどよく、ボールがよく回っていた。どの選手もよく走り、ボールに食らいついたのも勝因だった。選手たちに敬意。

 

 開幕から2試合は気持ちで受け身になったり、連係がぎこちなかったりと納得のいく試合が出来なかったが、長野戦はアグレッシブな姿勢を取り戻し、持ち味のサイド攻撃を貫いた。この試合で奈良クラブがJ3で通用することを証明した。しかし、他のチームも奈良を研究してくるはずだ。これからが勝負だ。 最後に遅延行為で2枚のカードがでた。しっかりと見直したい。 

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