奈良・田原本で3年ぶり迫力の流鏑馬 観客4500人魅了
奈良県田原本町唐古の唐古・鍵遺跡史跡公園で27日、「奈良田原本流鏑馬(やぶさめ)まつり」(同実行委員会主催)が開かれ、約4500人の観客が勇壮な馬術に見入った。
2019年に唐古・鍵遺跡の国史跡指定20周年を記念して、町内の池神社で奉納の記録がある流鏑馬を数百年ぶりに復活。新型コロナウイルス禍のため、3年ぶりの開催となった。
この日は正午ごろ池神社から流鏑馬行列が出発。同公園で行われた開会式で、森章浩町長は「多くの人に支えられて2回目が開催できた。流鏑馬を通して田原本の魅力を伝えたい」とあいさつした。
流鏑馬は鎌倉時代から約800年の伝統を誇る小笠原流の小笠原教場によって行われ、騎乗の射手が馬を走らせながら三つの的を次々と射た。全力疾走する馬の上で弓を引くのは大変難しく、矢が的の板を割るたび、観客から拍手が湧き起こった。
春日大社の春日若宮おん祭では、大和の武士が流鏑馬を奉納する習慣があり、同町に拠点を置く武士集団も、おん祭で流鏑馬を奉納していた。