歴史文化
堂内に響く鉦や名号 奈良の興善寺で「白石の双盤念仏」
奈良市都祁白石町の興善寺で10日夜、県指定無形民俗文化財「白石の双盤(そうばん)念仏」が営まれ、心に染み入るような鉦(かね)の音が響いた。
双盤念仏は「双盤鉦」と呼ばれる鉦をたたきながら「南無阿弥陀仏」の名号を唱える念仏行事。同寺では檀家でつくる鉦講が担い、この日の十夜法要が最も盛大。双盤鉦の銘から江戸時代中期には行われていたとみられ、県内に今も残る数少ない双盤念仏となっている。
鉦は2回の法話前後と、本回向などの際に打ち鳴らす。
午後7時の法話では、僧を出迎える「迎え鉦」と法話後に見送る「送り鉦」をたたきながら、長く伸ばした抑揚のある念仏を繰り返した。
白石の双盤念仏は12月4日、奈良市三条宮前町のなら100年会館で開かれる「第64回近畿・東海・北陸ブロック民俗芸能大会県大会」に出演する。