春日大社に御間形燈籠の「黒漆塗火袋」 式年造替記念し復元
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奈良市春日野町の春日大社で、摂社若宮神社の式年造替(ぞうたい)を記念して、御間形(おあいがた)燈籠の黒漆塗火袋が復元された。
御間形とは本社(大宮)と若宮社の間にある道のことで、鎌倉時代後期から日本で最初に燈籠が並んだ参道とされる。御間形燈籠の火を灯す部分である火袋は木製で、10年に1度の交換が必要なため、徳川頼宣奉納の1基を除いて500年の間に漆塗りや飾り金具が失われ、白木となっていた。
今回復元されたのは、本社寄りに設置された1基。式年造替で若宮本殿の本朱塗りを手掛けた小西美術工芸社が制作、奉納した。戦国時代にポルトガルの宣教師ルイス・フロイスが著作「日本史」の中で記した「木製の火袋が漆で黒く塗られ、鍍金(ときん)した真鍮(ちゅう)の枠がはめられ、豪華な透かし細工や浮き彫りの飾りが付き」という内容をもとに作られた。光沢のある黒漆に金色の細工が映える。
11月5日から26日まで毎週土曜日に開催される奉祝万灯籠で初点灯する。点灯時間は午後5時半から午後8時。現在、同大社境内には石燈籠2千基、釣燈籠千基があり日本最多とされる。