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引き継ぐ復興の精神 奈良県十津川村の水害犠牲者慰霊祭

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水害慰霊碑に花をたむける小山手村長=20日、十津川村小川の紀伊半島森林植物公園

 1889(明治22)の十津川大水害以降、2011年の紀伊半島大水害まで村内で計6回起きた水害の犠牲者の慰霊祭が20日、奈良県十津川村小川の紀伊半島森林植物公園であった。村関係者ら約40人が参列して犠牲者を悼んだ。

 

 同公園には水害慰霊碑があり、明治の大水害による168人をはじめ、紀伊半島大水害などで亡くなったり行方不明となった計204人の名前が刻まれている。

 

 式辞で小山手修造村長は「逆境の中でも希望を失わず、有事には一致団結して事に当たる村民性が発揮された」と災害からの復興を成し遂げた先人に改めて敬意を示した。

 

 明治の大水害を機に村民2667人が集団移住して開拓した北海道新十津川町から熊田義信町長らも出席。熊田町長は「今日のわれわれの生活は先人の尊い歩みの上に築かれている。開拓の歴史と十津川魂の根幹を成す文武両道の精神を町民の礎として脈々と引き継いでいく」と述べた。

 

 式は新型コロナウイルス対策で昨年、一昨年に続いて規模を縮小。犠牲者遺族は4人が参列した。11年前の紀伊半島大水害で両親を亡くした葛城市の森光春さん(59)は「両親との時間は11年前のまま。時間とともに傷は癒やされるが、今も大雨が降ると当時を思い出す。突然やってくる災害には命を守る行動をとってほしい」と話した。

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