「弾きやすい 音きれい」 - 反田恭平さん寄贈のピアノの試弾会
「なら100年会館」で小中学生が参加
昨秋のショパン国際ピアノコンクールで第2位を受賞したピアニスト反田恭平さんが5月に奈良市の文化施設「なら100年会館」に寄贈したピアノの試弾会と見学会が19日、同市三条宮前町の同館で催された。市が主催した。
寄贈されたのは河合楽器製作所製のアップライトタイプ「K―400」(税込み約93万円)。反田さんの要望で同館中ホールの「楽屋1」に設置されていて、試弾会、見学会とも楽屋1で行われた。
試弾会の参加者は高校生以下を対象に市が公募し、応募19組の中から抽選で選ばれた7組9人の小中学生が参加。試弾時間は1組20分。思い思いに選んだ曲で初めて弾くピアノの感触を味わいながら、限られた時間を楽しんだ。試弾後にはピアノ側面に書かれた反田さんの直筆サインと記念撮影する人もいた。
奈良県生駒市立生駒南第二小3年の宇陀珠里さん(9)はコンクールに向けて練習中のブルグミュラー作曲「スティリエンヌ」などを演奏し、「弾きやすくて音もきれいだった」と感想。京都府木津川市から兄弟で参加した府立南陽高校付属中2年の塚田悠介さん(13)と市立州見台小5年の塚田真弘さん(10)は1カ月前の発表会で弾いた曲などを演奏し、「弾きやすく音が大きく感じた」「グランドピアノみたいに弾きやすかった」などと話した。
試弾会後の見学会には9組12人が訪れ、ピアノに触れたりピアノと記念撮影するなどした。
奈良市は今年3月、反田さんが社長を務める管弦楽団のジャパン・ナショナル・オーケストラ株式会社(奈良市)と「魅力発信パートナー宣言」を交わし、市はふるさと納税の制度を使って同楽団を支援。一方、同社は演奏会の会場に同館を利用していて、反田さんは「アーティストが開演間近までウオーミングアップできればいいな」との思いで楽屋用のピアノを寄贈した。「グランドピアノにより近いタッチ」の機種を選んだという。
ピアノは楽屋1の利用者は自由に弾くことができる。