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「十津川の盆踊り」動画で継承 コロナ、台風で中止続く

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2019年の「昴の郷ふれあい物語」の盆踊りの風景(十津川村役場提供)

 村民がこよなく愛する奈良県十津川村の盆踊りを次世代に伝えようと、令和に残る村内10地区の盆踊りを紹介する映像「十津川の盆踊り」が、動画共有サイト「ユーチューブ」で公開された。コロナ禍の中、同村の盆踊りは大半の地区で見合わせが続いており、映像を通じて伝統をコロナ後につなぐ。

 

 8月13~15日の夜に地区住民や帰省者が集まり、先祖の霊を祭る儀礼的な風習で、夜明けまで踊ることもあったという。村民が共有する夏の楽しみだ。昭和期には50カ所を超える地区で行われていたが、過疎化の影響で現在は10地区まで減った。

 

 小原、武蔵、西川の3地区の「大踊り」は国指定重要無形文化財。室町時代に流行した「風流踊り」の系譜とされる大踊りが継承されているのは芸能史学的にも貴重だ。一方、明治から昭和初期の民謡系の「ばか踊り」も各地区で数曲~三十数曲と豊富なレパートリーがある。

 

 今回の公開映像は十津川の盆踊りの歴史と現在を約9分でまとめた。各地区の盆踊り保存会長や有識者らで構成する「十津川盆踊り継承委員会」が文化庁の補助を受けて制作。県の「無形文化遺産映像アーカイブ」で収録されていなかった4地区(神納川、風屋、湯之原、折立)を中心に記録した。新型コロナの影響で、昨夏も盆踊りがなかったため踊り手を集めて再現するなどしたという。

 

 近年は県内外の学生や移住者、観光客が村民と一緒に盆踊りを楽しむ光景も見られ、継承の機運が高まっていたが、新型コロナや台風の影響で、今夏も含め4年連続で実施できていない地区が大半。各地区の盆踊りが集合する盆踊り大会「昴(すばる)の郷ふれあい物語」は、今年も中止が決まった。

 

 継承委事務局の村役場総務課は「映像で盆踊りの雰囲気を感じ、練習にも活用してほしい。盆踊りが再開された時にはぜひ皆さんと一緒に盛り上がりたい」と話している。

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