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吉野高建築工学科の3年生3人が最後の共同制作 吉野ヒノキの“モダン書架”制作

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“モダン書架”の模型を組み立てながら話し合う生徒=6月28日、吉野町飯貝の県立吉野高校

 手作りした木製品を地元のこども園にプレゼントするなどの地域貢献を続け、来年3月で閉校する奈良県吉野町飯貝の県立吉野高校建築工学科の3年生3人が最後の共同制作を開始した。課題は、吉野ヒノキで作る“モダン書架”で、完成品は、今春開校したばかりの同町立義務教育学校「吉野さくら学園」に寄贈する予定だ。

 

 吉野高校は吉野林業(県立農林)と吉野工業(県立吉野実業)が1978(昭和53)年に統合して開校。前身から数えると120年にわたり、地域の産業や文化とともに歩んできた。

 

 共同制作の作品は「最後は、地元の小中学生に喜んでもらえるものを作ろう」と決めた。吉野中出身の田上達也さん(18)は小中学校の図書室が大好きだったといい、「お世話になった母校に自分たちが作った物を贈れることはすごくうれしいです」と気合が入る。

 

 板を斜めにはめ込むなど使いやすさとデザイン性を考えて図案を描いたのは山口亮さん(17)。大工技能検定3級も持ち「建築を学んできた技術も生かしたい」とより高いハードルにも挑戦。もちろん安全性も重視する。

 

 材料は吉野高卒業生が町内で営む製材所で調達。仕入れた材木を設計通りに挽き直す製材機械も3人が力を合わせて動かす。高島七海さん(18)はこの実習室で新しい世界を知った。「自分が木を切ったり組み立てたりできるようになるとは思っていませんでした」と話した。

 

 現在は二つ目の模型を作っている。模型制作を何度も繰り返して細部を検討し、10月末の実物完成(高さ約120センチ、幅約2メートル、奥行き20センチ)を目指す。指導する森本義隆教諭(31)は「3人がそれぞれの個性を生かして制作に取り組んでいる。完成が楽しみ」と見守っている。

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