安倍晋三元首相が銃撃された奈良市の近鉄大和西大寺駅前の献花台には、9日夕方になっても人が途切れず、500人以上が花を手向けようと列をつくった。献花台には花束があふれ、関係者が何度も回収した。

　兵庫県西宮市の山本美紀子さん(45)は行列に30分かけて並んだ。「ニュースを見て涙が止まらなかった。ここへ来て手を合わさなかったら後悔する」と長女彩月(さつき)ちゃん(9)と訪れた。

　大阪市の保育士、竹下里奈さん(26)は「任期も長くて一番印象に残っている総理大臣。銃で撃たれたと知った時は海外のことかと思った。今自分にできることは何か考えて、感謝の気持ちで花を供えに来た」

　県立生駒高校1年の宮野陽斗さん(15)=奈良市=は部活帰りに小遣いで花束を買い、行列に並んだ。「ニュースにショックを受けて気持ちが沈んだ。ありがとうございましたと気持ちを込めて花を供えたい」と話した。