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奈良市選管、開票迅速化へ 1票0.1秒短縮目指す

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 10日の参院選投開票を控え、奈良市選挙管理委員会は5日、迅速な開票を進めるための改善策を公表した。遅れの原因とされてきた開票の点検回数を2回から1回に減らし、比例代表の個人票を分類機で候補者別に完全分類するほか、開票事務のタイムテーブルを職員に徹底させるなど、終了目標時刻を前回の終了時間と比べ「選挙区」は55分早い午前0時に設定。「比例区」は3時間半ほど短縮し午前1時とした。開票の遅れがたびたび指摘される同市選管。果たして汚名返上となるのか、注目される。

 

 市の有権者数は30万971人(先月21日現在)、県内屈指の大票田だ。一方で、選挙の際の開票作業の遅れが常々指摘されており、その大きな要因とされてきたのが、開披した票が完全に候補者別に分けられているか、点検を2度行う同市選管特有の慎重なやり方だ。これは1992年7月の参院選の開票の際、立会人の申し出による点検で無効票から有効票が見つかったため、再度集計を行った結果、最終確定時刻が選挙区翌午前8時5分、比例区は同9時52分と、大きな失態となった。

 

 これを契機に市選管は、開票作業従事者を大幅に増やしたり、票が候補者別に分けられているか2度点検を行うなどチェック体制を強化。半面、開票作業の遅れが指摘される場面も増え、市選管は何度か改善も試みたが、2017年7月の市長・市議ダブル選では市長選の確定が翌午前2時22分、市議選は同5時49分にもつれ込むなど、開票作業の改善は大きな課題となっていた。

 

 5日、市選管は「コンマ1秒の短縮」による迅速な開票を進めるとして、1回点検によるロスタイムの縮減▽比例代表の個人票を分類機で候補者別に完全分類する▽開票事務タイムテーブルによる「目標の見える化」▽部長級・次長級職員による「係と縦断的・横断的マネジメント」▽開披や点検、計数などは一般事務従事者に、中軸の作業は選管兼務職が行うなど「タスクの明確化」を図る―など改善点を明らかにし、投票率57~58%を想定し1票0.1秒の短縮により4.8時間の短縮を図る目標値を示した。

 

 小橋勇市選管事務局長は「長年の課題とされてきた迅速な開票に向けて、職員らが目標と目的を共有し、取り組むことが大切。従事する職員に、迅速化を図る目安として、コンマ1秒の短縮を掲げた。目標に近づけるよう選管としてもしっかり準備したい」としている。

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