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帝塚山大・末吉教授らが県戦跡デジタルマップ作成 教育現場で活用を

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興福寺でかつて軍事教練が行われたことを説明するゼミ生=2日、奈良市登大路町

 帝塚山大学(奈良市帝塚山)法学部の末吉洋文教授(国際法、平和学)と3年ゼミ生8人が、第2次大戦時に奈良県内で空襲があった場所などがわかる「県戦跡デジタルマップ」を作成し、2日に公開した。作成の過程で、地域史「奈良県の百年」に記載されている数の6倍もの空襲があったことが判明した。教育現場で平和学習教材として活用してもらいたい考え。公開日の2日、末吉教授とゼミ生が奈良市内で戦跡フィールドワークを実施した。

 

 デジタルマップは、県内の戦争被害を可視化しようと作成。学校史や市町村史、戦争体験記などから集めた空襲被害や戦争遺跡などの記録をグーグルマップに反映した。

 

 その結果、県内の空襲被害数で引用されることが多い地域史「奈良県の百年」では、空襲が15件、死者は32人だったのに対し、今回の調査では空襲が少なくとも91件、死者は40人に上ることが明らかになった。

 

 デジタルマップは、末吉ゼミのホームページ(https://sueyoshi0.wixsite.com/tzk-peacestudies)から見ることができる。地図上の各スポットをクリックすると、画面左に説明文や写真が表示される。

 

 フィールドワークでは、ゼミ生7人がガイド役となり、県立国際高校1年の生徒7人とともに軍事教練が行われた興福寺や奈良ホテルの防空壕などを巡り、関連する話題を説明した。

 

 帝塚山大3年生の今田千尋さん(20)は「戦争について知る機会が少なくなっているので、このマップを通じて戦争に関心を持ち、学びを深めてほしい」と話していた。

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