特集奈良の鹿ニュース

社会

「バス運転者目指す女性後押し」 奈良交通の大川さん、大型二種免許に挑戦中

関連ワード:

大型二種免許の取得に挑戦している大川さん=大和郡山市井戸野町の奈良交通自動車教習所

 奈良交通(奈良市)で広報を担当する20代の女性社員が、路線バスや観光バスなどの運転ができる「大型二種免許」の取得に挑戦している。女性バス運転者の雇用拡大につなげるための企画で、女性社員は「普段、車の運転をあまりしない私の挑戦をきっかけに、バス業界に関心を持ち、バス運転者を目指す女性が増えれば」と話している。

 

 免許取得に挑戦しているのは、同社総務人事部の大川真由子さん(25)。入社4年目で、主に社内誌製作や取材対応などの業務を行っている。

 

 同社によると、同社のバス運転者は1055人。そのうち女性は19人(1・8%)にとどまっているという。一方で、バス運転者の慢性的な人手不足や高齢化もあり、今回の企画を発案した。

 

 大川さんは4月下旬、同社が直営する「奈良交通自動車教習所」(奈良県大和郡山市井戸野町)に入所。秋ごろまでの免許取得に向け、週1回のペースで学科や技能教習に取り組んでいる。

 

 同社の路線バスだった全長11メートル、幅2・5メートルの教習車を使った技能教習では、方向変換や坂道発進などを練習。大川さんは「(普通車と車体の大きさやタイヤの位置などが異なるため)車両感覚をつかむのが難しい」とする一方、「大きなバスを自分で動かす喜びや楽しさがある」と笑顔で語る。

 

 「(男性のイメージが強い)バス業界は女性でも安心して働ける職場」と大川さん。「この企画を通じて、バス運転者を目指す女性の後押しができれば」と力を込める。

 

 同社は、大型二種免許の取得費用を全額会社負担する支援制度を用意。大型二種免許を持っていない人でも運転者として採用し、内定後、奈良交通自動車教習所で免許を取得してもらう(5年間の勤務が条件)。

 

 女性運転者がより働きやすいよう、営業所に女性専用の休憩室やシャワールーム、仮眠室を設置。産前産後休暇や育児休暇などの制度も充実させている。

 

 また、家庭や育児、介護などと両立しながら安心して勤務できるよう、昼間帯に短時間乗務する「デイタイム社員」制度もある。

 

 採用に関する問い合わせは、同社総務人事部、電話0742(20)3119。また、免許取得に関する問い合わせは、奈良交通自動車教習所、電話0743(54)3322。

関連記事

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド