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国文化審答申、国史跡に郡山城跡を新指定 藤原宮跡南西部の追加指定も

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郡山城天守台の石垣=15日、大和郡山市城内町

 国の文化審議会文化財分科会は17日、国の文化財(史跡名称天然記念物など)指定を答申した。奈良県関係は郡山城跡(大和郡山市)を史跡に新指定するほか、特別史跡の藤原宮跡(橿原市)を追加指定する。

 

 郡山城跡は1585(天正13)年に豊臣秀長が入城し、畿内統治の拠点として大規模に整備。関ケ原の戦い(1600年)以降は譜代大名が城主となった。本丸を中心に曲輪群や内堀、鷺堀などから構成され、約16万2200平方メートルを史跡に指定する。

 

 藤原宮跡は694~710年に営まれた都城跡。藤原京の中心に位置し、約1キロ四方の区画内に内裏や大極殿、役所群が配置された。これまでに約93万7200平方メートルを指定しており、今回は南西部約1万9600平方メートルを追加する。

 

 

調査や整備実る

 

 大和郡山市は市のシンボルともいえる郡山城跡の国史跡指定に向け、計画的に調査や整備を進めてきた。2013年から天守台の石垣の解体修理を進め、展望施設を整備。その際に天守礎石や金箔(きんぱく)瓦が出土し、天守台が豊臣期の遺構であることを突き止めた。

 

 17年からは郡山城史跡・柳沢文庫保存会の極楽橋再建などに伴う発掘調査や石垣解体で橋周辺が豊臣期以降の近世に整備されたことを明らかにした。同市は「織田・豊臣期から近世を通じて畿内統合の重要拠点だった。特に豊臣期の遺構が良好に残る」と評価し、今年1月に国に史跡指定を具申した。来年度から保存活用計画の策定に着手し、石垣の整備など保全に取り組むという。

 

 上田清市長は「本市では慈光院庭園以来88年ぶり、3件目の国史跡指定で、長年の悲願だった。2024年の市制施行70周年、金魚伝来300年を控え、歴史的な意義がある」と喜ぶ。

 

 また、市内の関係者や商店からも、町の活性化を期待する声があがった。

 

 史跡指定や保存に尽力してきた郡山城跡・柳沢文庫保存会常務理事で同文庫館長を務める寺前良昭さん(67)は「極楽橋周辺整備も市の整備計画に基づいて進めてきた。今後も城跡の保存活用計画に協力したい」と喜ぶ。

 

 近鉄郡山駅近くの雑貨店店員、森部由香理さんは「お城まつりなどの時は人通りが増えるので、これを契機ににぎやかになればいい」と前向きにとらえ、柳町商店街の福祉施設販売所の小林由佳さん(39)は「コロナ禍が鎮静化し、観光客も戻ってきそうなので、商店街にもお客さんが流れてくれば」と期待した。

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