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親の子育てトレーニング「ペアレント・トレーニング」 - 不登校に向き合う Vol.4

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※画像はイメージ

 不登校の子どもたちに共通して見られるのが「自尊感情の低さ」だと言われています。自尊感情とは「自分自身に価値があると思える感情」のことで、この感情が低いと、自分を責めたり、不安になるなどの様子が見られるようになります。

 

 自尊感情を高めるには「褒める」「成功体験の積み重ね」が必要です。その効果的なタイミングや関わり方を学べる、不登校やひきこもりの子どもの保護者に向けたプログラムに「ペアレントトレーニング」があります。

 

――アメリカ発、保護者のトレーニングプログラム

 

 ペアレントトレーニングは、困難な状態になった子どもの保護者に向けた育児プログラムとしてアメリカで始まったとされています。日本では、主に発達障害の子どもの保護者に対して取り入れられてきました。発達障害のある子どもに限らず、全ての子どもと保護者の親子関係に影響をもたらすと言われています。

 

 奈良県内で、スクールカウンセラーとして不登校・ひきこもり支援に携わってきた櫻井惠子さんと、櫻井裕子さんは不登校やひきこもりの子どもの保護者のためのペアレントトレーニングプログラムを展開しています。

 

――小さな行動から褒める

 

 自尊感情を高めるためには「褒めること」や「成功体験を積み重ねる」ことが大切と言われますが、「日本人は褒めることが苦手」と櫻井さんは話します。“テストの点が良かった”“作品が入選して素晴らしい”など、結果を褒めることはしますが、それに向けた努力や取り組みの様子などを褒めることは少ないそうです。

 

 「基本は子どもの行動を褒めること。そして小さな行動から褒めてください。子どもは褒められると“もっとやろう”とします」とのこと。もっと増やしてほしい行動や自分からやろうとしている時、よく考えている時などは、しっかりと褒めてあげましょう。

 

――注意はCCQを意識して

 

 また日本人に多いのが「〇〇してはいけない」という否定や叱りで「良くないところを叱って良い子にする」との考え方が今なお根強いです。ペアレント・トレーニングにおいて「叱る」タイミングは、命にかかわることに留めています。行動をきっぱり叱って、終わりましょう。

 

 また「注意」を促す場合にはCCQを意識しましょう。

 

C…Calm(おだやかに)

 

C…Close(近くで)

 

Q…Quiet(静かな声で)

 

 穏やかに、近くで、静かな声で注意することは子どもの脳に届きやすくなります。CCQは、褒めるときもに使えるので、意識して取り入れると良いでしょう。

 

――さくラボペアレント・トレーニング

 

 櫻井さんが開設した「さくラボ」では、今年度よりオンラインによるペアレント・トレーニングもスタートしました。また新型コロナの感染状況によっては、対面でのトレーニングやパーソナルトレーニングも検討していくそうです。「スクールカウンセリングは傾聴が多くなります。“子どものために自分が何かできないか”と考えている人はぜひ一度相談してください」と櫻井さん。

 

 

《プログラム概要》

 

さくラボペアレントトレーニングプログラム

 

全5回(小グループ)&カウンセリング(個人)付き

 

【料金】30,000円《5000円×5回+5000円(カウンセリング)》

 

(1)オリエンテーションと自己紹介、子どもの行動の観察の仕方

 

(2)子どもの行動を3つのタイプに分けてみる。褒めることの習慣化と成就な褒め方

 

(3)上手な指示の出し方と親子タイムについて

 

(4)好ましくない行動への対応方法

 

(5)子どものやる気の育て方と再登校

 

 

 

【取材協力】

さくラボ代表 櫻井恵子さん・櫻井裕子さん

 

【問い合わせ】

sakulabosan@gmail.com

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