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歴史文化

法隆寺、歴史遺産へ支援を 7月27日まで境内維持費クラウドファンディング

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クラウドファンディングで境内の維持管理の支援募集を開始した法隆寺=15日、斑鳩町法隆寺山内

 世界遺産・法隆寺(奈良県斑鳩町)は15日、境内の維持管理費用を募るクラウドファンディング(CF)を実施すると発表した。広大な境内に数多くの宝物を保管する同寺では、これら維持管理費用を拝観料でまかなってきたが、コロナ禍で拝観者数が激減しているという。同寺は「1400年の歴史遺産を守り未来へとつなぐためにご支援をお願いしたい」としている。

 

同寺の境内は約18万7000平方メートル。現存する世界最古の木造建築群があり、国宝・国重要文化財約3000点(付指定含む)をはじめとする数多くの美術工芸品を所蔵している。

 

 同寺によると、2019年度に約65万人だった参拝者数は、新型コロナウイルス感染拡大で一時拝観を停止するなどした20年度が約20万人、21年度は約35万人に減少した。

 

 収入の柱となる拝観料が確保できず、寺は未指定の塔頭(たっちゅう)の建造物修理費用、年間予算約5000万円の計上を先送りしているという。

 

 ほかに植木のせん定や草刈りなどの境内整備費用約2000万円は、回数を減らして約1300万円に削減。未指定美術工芸品の修理費用約1400万円も凍結するなど経費削減に努めているが、長引くコロナ禍の影響は大きく、CFへの挑戦を決断した。

 

 目標金額は2000万円で、CFサイト「READYFOR(レディーフォー)」で15日から募集を開始した。募集期間は7月29日午後11時まで。寄せられた支援金は樹木の管理など境内整備から活用していく。

 

 古谷正覚住職は「来年は世界遺産登録30周年でもあり、少しずつ境内を元のように整備して参拝者を迎えたい」と述べた。

 

 問い合わせは同寺、電話0745(75)2555。

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