橿原市民オンブズマンが亀田市長を提訴 市役所整備で損害
奈良県橿原市役所本庁舎整備をめぐり、亀田忠彦市長が現地建て替えの方針を白紙撤回したことで、市が基本設計を委託した業者に支払った費用6930万円が無駄になったとして橿原市民オンブズマンは10日、市に対して亀田市長へ同額の損害賠償などを請求するよう求めて奈良地裁に提訴した。
訴状によると、亀田市長は2021年3月、費用増などを理由に現地建て替えの断念を表明。同12月に業者との契約を終了し、基本設計費など出来高分の代金を支払った財務会計行為は、裁量の濫用逸脱で違法としている。橿原市民オンブズマンは今年3月、同問題について橿原市監査委員に住民監査請求を行ったが、5月12日付で棄却された。
提訴後、奈良市内で記者会見を行った同団体代表の中垣高代さんは「議決を得ずに独断で業者に断りを入れた市長の行為は理解できない。白紙撤回したが今後の方針もはっきりと示されておらず、住民の不信感は高まっている」と怒りをあらわにした。
市は「訴状が届いていないため、内容を確認してから対応していきたい」としている。