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奈良県野迫川村長選で吉井氏が初当選

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初当選を果たし、支持者と万歳三唱で喜び合う吉井氏(中央)=5日午後7時過ぎ、野迫川村北股のゲストハウス

 無所属新人2人が争った奈良県の野迫川村長選挙は5日、投票が行われ、即日開票の結果、前村産業課長の吉井善嗣氏(54)が前副村長の中本浩三氏(65)を破って初当選した。当日有権者数は311人(男144人、女167人)、投票率は92.93%で前回の86.21%を上回った。

 

 8年ぶりの村長選挙は全国で人口最少自治体(離島を除く)の山村を二分した。吉井氏は「村の未来を一緒につくりましょう」と呼びかけて若い世代に浸透。政策面では高齢者福祉を前面に出し、世代交代の流れに安心感を与えて支持を広げた。中本氏は手堅い行政力をアピールして追い上げたが及ばなかった。

 

 午後6時半、同村北股の村山村振興センターで開票作業が始まり、30分後には吉井氏の当選が確定。開票所隣りのゲストハウスに設けられた吉井氏の後援会事務所は「勝ったぞ」と歓喜に沸いた。

 

 吉井氏は「皆さんのおかげで当選できました」と感謝し、「角谷村政のバトンを受け継ぎ、必ずこの村を守って発展させます」と決意を語った。中本氏は同村北股の事務所で「私の力不足」と深く頭を下げた。

 

 

 【吉井善嗣氏の略歴】

 1968(昭和43)年2月、野迫川村生まれ。祖父は第15~17代村長(1915~27年)の吉井善太郎氏。86年3月吉野高校卒業。88年日大農獣医学部中退。民間会社員を経て91年から村職員。建設課長、産業課長などを務め、村長選出馬のため2022年3月退職。同村今井。

 

 

 【解説】

 人口340人の村が新しいリーダーを選んだ。このまま少子高齢化が進めば、人材確保でも財政面でも地方自治体や地域活動の維持に困難が生じると予測される。若者のU・Iターンを実現するには産業振興と雇用拡大が必要だ。

 

 山は深く、奈良県内の市町村を見回しても圧倒的に地の利が悪い。冬は長く、積雪と凍結は人と物の流れを妨げている。デジタル化の推進や森林資源の需要増など、新時代の流れを村政に取り入れる挑戦もあり得るだろう。

 

 「人の和」が地の利のなさを補う。選挙のしこりを残さず、村民一丸で光を見いだしてほしい。(木之下伸子)

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