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自転車の乗り方大丈夫? - 奈良県内の高齢者自転車事故の特徴と安全対策

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※写真はイメージ

 世代を問わず、移動手段の一つとして自転車を利用する人は多いと思います。徒歩よりも移動時間が短縮でき、買い物など荷物があっても手軽に移動できるので、非常に便利な乗り物として、高齢者の利用もよく見かけます。

 

 しかし、自転車乗用中の死亡・重傷事故も多数発生しています。事故を防ぐにはどうすればよいか、高齢者の自転車事故の傾向と対策について紹介します。

 

※本記事内で高齢者は65歳以上、子どもは小学生以下を示します。

 

 

―出会い頭事故に要注意

 

 奈良県警察本部によると、令和3年中に発生した自転車乗用中の事故件数は合計507件。そのうち高齢者が148件と全体の約3割を占めています。子どもの事故件数33件と比較して115件も多く、非常に多くの事故が発生しています。

 

 さらに死者・重傷者数110人のうち、高齢者は44人と、4割が死亡または重傷の事故に繋がっています。

 

 事故の特徴としては、高齢者乗用中の自転車事故のうち「出会い頭事故」が78件と半数以上を占めていました。そのほか、交差点での右左折時における事故も多く発生しています。

 

―意外と多い「法令違反」

 

 令和3年中に発生した自転車乗用中の高齢者の事故では、前方・左右の安全不確認など「安全運転義務違反」や、交差点の進入時や通行時に他の車両や通行人への安全不確認となる「交差点安全進行義務違反」など、法令違反となる行為の割合が多くなっています。

 

 このような法令違反が、出会い頭事故や交差点における事故が多数発生する理由の一つとも考えられます。

 

 自転車は軽車両に分類され、道路交通法で定められた規則に違反すると罰則が課せられる場合もあります。自分の身を守るためにも、改めて交通ルールを理解して乗車しましょう。

 

―高齢者特有「転倒・転落事故」

 

 子どもの自転車事故と高齢者の自転車事故を類型で比較すると、「出会い頭事故」の割合が、子どもは約78%、高齢者は約58%といずれも高いですが、子どもの自転車事故に転倒事故や転落事故は発生していません。

 

 高齢者の転倒、転落事故の発生要因としては、若いころは少しバランスが崩れても持ち直せたものが、年齢とともに、体力の低下やバランス感覚の衰え、判断力の低下などにより対応できなかったことなどが考えられます。

 

 県内でも「高齢者が側溝に転落」などの事故が見受けられます。また、大きな事故にはならなかったけれども、少しの段差や道路の凹みにタイヤを取られて、転倒する場合もあります。走行中はなにが起こるか予測できません。

 

 「私は大丈夫」ではなく、ふたのない側溝がある道路や小さな段差のある道路、踏切などを走行する場合は過信せず、しっかりと注意をして走行しましょう。

 

 

―安全確認、安全なスピード、目立つ服装が鉄則

 

 

 自転車も車両の仲間です。しっかりと交通ルールを守って走行することで、事故から身を守ることに繋がります。

 

■交差点ではスピードを落として、左右の確認を必ずして、一時停止の標識がある場所は必ず止まる

 

 

■道路を横断するときは後方や周囲の安全確認を行い、斜め横断や無理な横断はしない

 

 

■薄暮時や夜間に自転車に乗るときは、必ずライトを点灯するほか、明るい服装や反射材を身に着けて目立つようにする

 

 

―ドライバーも安全走行を

 

 高齢者の自転車走行に限らず、自転車は急に止まったり、曲がったり、横断したりすることがあります。自転車近くを自動車などで走行する場合は、行動を予測して安全な距離を保つようにしましょう。

 

 薄暮時や夜間は、無灯火の自転車が走行している場合もあるので、すぐに発見できるよう対向車や先行車がないときにはハイビームを活用して走行してください。

 

 

 

【取材協力】奈良県警察本部交通企画課

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