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奈良県野迫川村長選5月31日告示、2新人の争いか

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険しい山々に囲まれて340人が暮らす野迫川村=同村北股

 任期満了(6月19日)に伴う奈良県野迫川村長選挙はあす31日告示される。現職が引退し、これまでのところ、前村産業課長の吉井善嗣氏(54)と前副村長の中本浩三氏(65)の2人が立候補を表明。元村職員の無所属新人同士の争いになりそう。選挙戦は8年ぶり。投開票は6月5日。

 

 2020年国勢調査での村の人口は357人で、高知県大川村の366人を下回り、離島を除いて全国最少の自治体に転落した。15年から5年間の人口減少率が20.3%と極めて高く、深刻な過疎・少子高齢化の状況がうかがえる。

 

 先月末現在の人口は340人と減少は続き、このうち65歳以上が183人。高齢化率は52%に達した。高齢者の生活支援や教育・子育て環境の充実、地域振興など課題は山積している。

 

 五條市と西吉野村、大塔村が合併した平成の大合併時にいったんは、市町村合併への協議に参加したが離脱。村の西端に高野龍神スカイラインが走る県境の村で、村の半分は生活・経済圏が和歌山県高野町という地理的な要因もあった。

 

 その後、村長在任10期40年の高田幸篤氏が引退した10年5月の村長選挙で、高田氏の後継者を破って当選したのが現村長の角谷喜一郎氏(65)。長期政権批判が根底にあり、当初から心に決めた3期12年で救急・消防の常備化やごみ処理行政など長年の懸案を解決したが、過疎・少子高齢化には歯止めがかからなかった。一方、21年開校の義務教育学校(小中一貫)に通う児童生徒は12人。山村留学制度があり、2カ年で2家族(児童生徒3人)を迎えるなど展開している。

 

 11年9月の紀伊半島大水害で発生した深層崩壊地の復旧・対策工事はめどが立った。これから観光や移住政策などに力を入れることで地域活力の低下を緩和したいところ。新たな雇用につながる産業振興は課題だ。

 

 前村産業課長の吉井氏はデマンド型地域公共交通の導入▽観光と移住による地域おこし▽森林資源をエネルギー化する調査研究―などに意欲。前副村長の中本氏は買い物支援や診療所機能の充実▽キャンプ場等観光施設整備▽補助事業の有効活用による財政健全化―などを進める考え。小規模自治体の将来はさらに運営難が予想されるが、ともに村職員としての行政経験を持つ2新人が未来図を描く選挙戦が注目される。

 

 立候補は午前8時半から午後5時まで、同村北股の村役場で受け付ける。3月1日現在の選挙人名簿登録者数は323人(男150人、女173人)。

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