奈良市が6月1日から私道整備の補助拡大、バリアフリー推進へ

奈良市は26日、市内のバリアフリー推進のため、6月1日から私道整備に関する補助対象を拡大すると発表した。車いすや高齢者、ベビーカーなどが通行しやすいように私道整備を促進するのが狙い。「私道整備事業補助金交付制度」を改正し、従来より狭い道幅でも補助が受けられるようにする。
同制度は私道に接する住居の住民が、私道の舗装のやり直しなどカーブミラーの設置などをする際に費用の一部を補助する制度。
現行は補助対象の幅員要件を自動車が通行可能な1.8メートル以上としているが、2017年度の制度開始以降、補助申請は5年間で17件にとどまっている。また、私道沿いに住む住民から「高齢で車いすを使うようになったが道が舗装されておらず通りづらい」など、車いす関連の相談が数件寄せられていたが、いずれも幅員要件を満たしておらず、補助対象とならなかった。
今回の改正では補助対象の幅員要件を1.8メートル以上から0.9メートル以上に緩和。0.9メートル以上1.8メートル未満の私道に関しては整備費の50~70%(上限30~80万円)を補助する。また補助申請は私道所有者や沿線の住民に限られていたが、沿線住居のオーナーも補助を申請できるようにした。
また、私道整備に関する相談業務や情報提供などを行う「私道整備なんでも相談窓口」(予約制)を新たに設置した。
仲川元庸市長は「健常者には何でもない穴ぼこや段差が、高齢者や障がいのある人にとっては移動が大変だから出掛けるのをやめようという心理的なバリアになっている可能性もある。できる限り安心して目的地に移動していただけるよう取り組みを進めていきたい」と話した。