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阿形像、しばしのお別れ 当麻寺「木像金剛力士立像」解体修理で搬出

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背を下に足裏から運び出される阿形像=20日、葛城市当麻の当麻寺仁王門

 奈良県葛城市当麻の当麻寺は20日、仁王門の「木像金剛力士立像」(江戸時代、市指定有形文化財)の阿(あ)形像の体を、解体修理のため搬出した。修理を担当する公益財団法人美術院(京都市)の修復技師らが布などで包み込んだ像を慎重につり上げて台車に乗せ、トラックに積み込んだ。

 

 金剛力士像は阿形と吽(うん)形の2体で、いずれも像高約340センチのヒノキの寄木造り。経年劣化が目立つため、初めて解体修理を実施する。市の補助事業として5カ年で修理を計画、昨年度の阿形頭部内にできたミツバチの巣の除去作業に続き2年目で、2024年度からは吽形を解体修理する予定となっている。

 

 すでに阿形像の頭や両腕などは2日前に運び出されており、ともに「なら歴史芸術文化村」(天理市)の文化財修復・展示棟で来年度内に修理を終える予定。作業の様子は一般公開されるという。 

 

 美術院の担当者によると、今後は虫やカビなどの対策を施した後、ヒビ割れや虫食いといった損傷部分や像の各部位の接合部に生じたすきまの補修、目の新調などを予定しているという。

 

 同寺奥院の川中教正副住職(44)は「子供の頃と比べて損傷が激しくなっていた。元の姿に戻って100、200年先まで寺や参拝者を見守っていただきたい」と話した。

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