奈良市雑司町の東大寺大仏殿(国宝)に液体のようなものがかけられた痕跡が見つかった事件で、奈良署は19日、成分鑑定の結果、液体にガソリンなどの鉱物油は含まれていなかったと発表した。その他の成分については鑑定中。

　痕跡は14日午後5時10分ごろ、大仏殿南西側の立ち入り禁止エリアにある地覆(じふく)2カ所で見つかった。発見した同寺の職員らは「コーヒー牛乳のような甘い臭いがした」と話している。

　同署は文化財保護法違反の疑いで捜査を進め、防犯カメラの映像などを調べているが、同エリアに侵入している不審者の目撃者や、不審者が写っている画像や動画を持っている人がいないかなど広く情報提供を呼び掛けている。情報の提供は、同署生活安全課、電話0742(20)0110。