毎日コツコツフレイル予防 - 運動指導員による簡単運動vol.2
フレイルは、加齢とともに心身の活力が低下した状態のことで、健康な状態と介護を受ける状態の中間状態にあるとされます。積極的に対策を取ることで、活力低下を遅くすることも可能です。
年齢とともに筋力や体力だけでなく、認知・判断能力も衰えてきます。衰えを止めることは難しいですが、積極的に予防対策を取り入れることで、衰え度合いを緩やかにすることはできます。
vol.1(2022年2月17日)では、「立ち座り」動作に関する運動を紹介しました。介護現場においても「転倒して骨折しそのまま寝たきりになってしまった」という事例は多数あるそうです。とても元気に過ごしていた高齢者が転倒して入院したことで認知症になったり、免疫力の低下などから別の病気を発症してしまうことも少なくありません。
vol2では「転倒予防」に関わる運動方法について、介護予防運動指導員として健康増進、介護予防のためにさまざまな運動の提案に取り組んでいる、けんぞう倶楽部の本末浩司さんに、自宅でも簡単に取り組める運動方法を聞きました。
※動作の回数は目安です。痛みや苦痛を感じる場合は、無理をせず回数を減らす、または運動を中止してください。
転倒予防運動―つまずかないために
転倒を回避するために歩行を控えるのも体に良くありません。東京消防庁の令和元年度中の救急搬送データによると、高齢者が転ぶ事故の発生場所では「住宅等居住場所」が最も多くなっています。また、住宅の中での転ぶ事故が発生した場所として、
第1位 居室・寝室
第2位 玄関・勝手口
第3位 廊下・縁側・通路が多くなっています。
「家は慣れた場所」と油断しやすく注意力が下がり、つまずきや転倒などの事故が発生しやすくなります。「ここには何もなかったはず」と思い込まず、周囲に何があるかをしっかりと目で見て確認しましょう。