奈良弁護士会会長・中村吉孝 - 新春随想
年が明けるとすぐに成人の日を迎えます。成人の日は、国民の祝日に関する法律第2条によると、「おとなになつたことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」祝日です。今年成人を迎えられた皆様を祝福し、ご活躍を期待したいと思います。
ところで、本年4月1日には、民法の一部を改正する法律が施行され、成人に達する年齢が18歳に引き下げられます。この改正が、若者の積極的な社会参加を促し、若者がいきいきと活躍する社会となれば、それは望ましいことであると思います。
他方で、若者が消費者被害に巻き込まれるのではないかと心配する声もあります。
改正法の審議の際、参議院法務委員会は附帯決議で若者の消費者被害防止への配慮を求めましたが、現状では附帯決議が求めた内容の大半は実現していません。このまま4月1日を迎えてしまえば、若者を悪徳業者がひしめく荒野に放り出してしまうようなことになり、深刻な被害が懸念されます。
子どもは社会の宝。次代を担う若者を大事に守り育てていく、その想(おも)いは大切に持ち続けたいと思います。そして、大事に守り育てた若者が、いきいきと活躍されることを期待しています。