「親亡きあと」を考える
障がいがある子や引きこもりの子を持つ親にとって一番気がかりなことは自分の死後のこと。高齢の親が引きこもりの中高年の子どもを支えている「8050問題」を耳にしますが、年齢が上がり「9060問題」となる日も遠くありません。
「私に万一のことがあったら、子どもはどうなるのか」と住まいや生活費など心配はつきません。まず、何から対策を始めればよいのか。「親亡きあと」相談を専門におこなっている「あかるいみらい準備室」(奈良市法華寺町)の代表で行政書士、ファイナンシャルプランナーの山口まゆみさんに聞きました。
地域や支援者とのつながりづくりを大切に
ここ5年ほどで「親亡きあとを考える」という意識が社会的に浸透し、相談件数も増えてきました。親亡きあとの相談では、いくらお金が必要かという質問が一番多いです。しかし、お金の準備はもちろん大切ですが、まずは地域で利用している施設などの支援者とのつながりを改めて確認し、万が一を想定して対応できる準備をすることが先決です。