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奈良クラブ フリアン監督にきく【インタビュー動画あり】

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「自分たちの伸びしろは得点力。その向上を図りたい」と話すフリアン監督

「今季の戦いを振り返る」

 

 奈良クラブは今季からスペイン人のフリアン・マリン・バサロ監督を招聘(しょうへい)。コロナ禍の影響で来日が遅れたがチームの土台を作り、今シーズンは10勝9敗13引き分けの10位の成績を収めた。同監督に今季の戦いぶりを振り返ってもらい、来季に向けての抱負を聞いた。

 

 ――今季は新しいメンバーが多く、コロナの影響で監督の来日が遅れました。実質、6月からスタートでチーム作りは難しかったと思いますが、まず、どこからチーム作りに着手しましたか。

 

 フリアン:遅れて来日したことで確かに困難はあったが、クラブがエコノメソッドを導入していたことでベースはできていた。チームとしてのアイデアができていて、そこから改善に取り組んだ。個人のアイデアなどをチームに取り入れることでパフォーマンスが良くなってきた。

 

 ――監督が来日してから引き分ける試合が多くなりました。それは守備力の向上にあると思いますが、どのように守備を整備されたのでしょうか。

 

 フリアン:デフェンスだけが向上したのではなく、攻撃の面もグローバルに向上した。サッカーというのは、すべてつながっている。攻撃している時には守備の事も考えないといけない。守備をしている時は攻撃の事を考えないといけない。引き分けが多いのは守備だけでなく、全体的に向上した事で引き分けが多くなった。

 

 ――両サイドバックが超攻撃的です。サイドバックが上がると、その背後を突かれる可能性が高くなります。そのリスク管理はどうされていますか。

 

 フリアン:人数の優位性、スペースの優位性でリスクマネジメントすることを選手たちに言っている。右サイドバックの選手、ボランチの選手が上がっていくと、空いたスペースに左サイドバックの選手やセンターバックの選手がスペースを埋めていく。そうしてスペースを守っていくことを常に考えないといけないと指導している。

 

 ――リーグ終盤には得点が増えてきましたが、まだ不足しているかと思います。引き分けが多く、勝ち切れないのはそのためだと考えています。今後どのようにすれば、得点力は向上するでしょうか。

 

 フリアン:自分たちの伸びしろと言うのは得点力。自分たちが有利な場所にボールを運んだ時にアグレッシブなプレーができない。そこが足りない。選手が経験を積むこと、そこができる選手を補強することだ。

 

 ――奈良クラブはエコノメソッドを取り入れています。エコノメソッドはFCバルセロナやスペイン代表のようなパスサッカーを模範にしてサッカー理論を構築していると思います。エコノメソッド、スペインサッカーは日本人になじむでしょうか。

 

 フリアン:エコノメソッドはバルセロナで生まれたものですが、アメリカやアジアでも取り入れられてもいます。そういうところの経験もどんどん取り入れ、いろんな事を吸収しています。このメソッドはいろんな文化に適応できるようになってきています。日本の選手に合うように、どう教えるのかをエコノメソッドは日々アップデートされてきています。

 

 ――日本フットボールリーグは企業チームがあったり、Jリーグを目指すチームがあったりして、サッカーのスタイルがさまざまです。一部にはキック・アンド・ラッシュで強度の高いサッカーの方が、このリーグを勝ち上がるには適しているとの意見もありますが。その点はいかがでしょうか。

 

 フリアン:いろんなスタイルがあっていいと思う。大事なのは試合に勝つために、そのスタイルをどう生かしていくかを知ることが大事。昨年はヴェルスパ大分がパスをつなぐ自分たちのスタイルで優勝している。ホンダFCも同じスタイルで優勝している。奈良クラブも同じスタイルなので、勝ち上がることができる。自分たちのスタイルはファンの皆さんにとって魅力的なスタイルだと思っている。奈良クラブのアイデンティティーとしてボールを保持しながら、多くの皆さんを魅了できるような、気に入ってもらえるようなプレースタイルだと思う。

 

 ――若手、ベテランを問わず選手たちからは「サッカーが面白くなった」との声をよく聞くようになりました。エコノメソッドやあなたの指導が、今までにない経験を選手たちにもたらしているようです。それはどのような点でしょうか。

 

 フリアン:選手たちが面白くなってきたと言うのはいろんな事をミックスしているからだと思う。監督として一番大事にしていることは、選手たちが一日一日楽しんでプレーしてもらうこと。そして厳しく要求すること。この二つをミックスすることで、選手たちがサッカーを面白くなったと思うことにつながっていると思う。シーズン終盤は昇格、降格にかかわってこなければ、目的を失いがちだが、チーム全体が向上していこうとする意思を失っていなかったのは、楽しむ事と厳しい要求がうまくミックスできていたからだと思う。

 

 ――ベテラン、若手にかかわらず能力の高い選手がそろってきています。来シーズンに向けての抱負をお願いします。

 

 フリアン:このクラブに残りたいと思ったのは、クラブの意思があり、継続してくれる選手たちがいて、2つの意思、決定があったので、契約を更新した。来シーズンの抱負ですが、何位と言う順位的なことは言えませんが、確実に言えることは今シーズンよりいいプレーをすること。毎試合よくなっていくこと。クラブとして毎シーズン成長していくことです。

 

 ――ありがとうございました。

 

【エコノメソッド】

 2010年に設立されたエコノメソッドバルセロナリサーチ&ディベロップメント社が構築した指導方法。欧州の名門クラブのディレクターや、元育成監督などで構成された指導のプロフェッショナル集団で、ヨーロッパ、中国、日本などで個人、チームのコンサルティングを行っている。過去に日本サッカー協会、アルビレックス新潟と提携。個人では日本代表の久保建英の個人コンサルティングを行ったことで有名。

 

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