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生活保護の不正受給防止へ 奈良県が体制づくり強化 - 審査担当の勉強会など

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 生活保護費の不正受給を防ごうと、県は審査の担当者を対象とした勉強会の開催や弁護士らに相談することで、詐欺容疑などでの刑事告訴をしやすくする体制づくりに乗り出した。県内で発生した生活保護費の不正受給は件数で減少傾向にあるものの、令和元年度の被害総額は約2億4500万円と過去5年間で最多となった。県担当者は「不正受給を無くすことで、生活に本当に困っている人が広く生活保護を受けやすくなるようにしたい」と話す。

 

 県によると、県内全市町村で判明した生活保護の不正受給の件数は、平成27年度472件(約1億5818万円)▽28年度496件(約1億5233万円)▽29年度477件(約1億8404万円)▽30年度488件(約1億7095万円)▽31年度548件(約2億589万円)▽令和元年度471件(約2億4569万円)―。仕事で得た収入や年金収入の無申告などが多くを占める。

 

 生活保護の窓口は、県内15カ所の福祉事務所が担っている。内訳は県中和、吉野保健事務所の2カ所のほか、県内12市の各事務所、十津川村設置の1事務所。不正受給に対して、各事務所が別々に対応してきた。

 

 県は各窓口の担当者らを対象にした勉強会や研修会を本年度中に実施する予定だ。講師を務めるのは、生活保護費の詐欺事件などに詳しい弁護士で、勉強会や個別の相談などを通じて、調査能力の向上を図る。

 

 また、詐欺容疑などでの刑事告訴についての相談をできるようにする。

 

 生活保護の不正受給に関しては、昨年6月の県議会一般質問で、佐藤光紀県議(日本維新の会)が全国的に減少傾向の中、県内は件数、金額とも増加していると指摘。これに対し荒井正吾知事は、平成30年度に増加した原因について、実態把握のため県および市村設置の福祉事務所に対し、ヒアリング調査を行う方針を答弁していた。

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