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柿の葉すし本舗たなか、田中社長-コロナに立ち向かう(7)

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「今できることに取り組んでいきたい」と話す田中社長=奈良市東向中町の柿の葉すし本舗たなかなら本店

 奈良を代表する郷土料理、柿の葉すしを製造販売する「柿の葉すし本舗たなか」(本社・五條市住川町)は、コロナ禍で国内外の観光客や出張する日本人ビジネスマンが減る中、オンライン販売に力を入れている。

 

 コロナ禍の影響は複数ある販売チャネル(販売経路)で明暗が分かれる。

 

 定番の奈良土産でもある柿の葉すし。県境をまたいだ移動の自粛が求められる中、観光客や出張中のビジネスマンが多く利用する駅構内や空港内の店舗では、売り上げが減少した。

 

 県内外の百貨店内にある店舗も百貨店の臨時休業に伴い、一時閉めざるを得なかった。

 

 一方で、コロナ以前よりも売り上げが伸びたチャネルもある。郊外型の地域密着店とオンラインショップだ。

 

 飲食店利用が避けられる中、地域住民の自家需要としての購入が増加。また、密を避けながら楽しめるアウトドア人気の高まりを受け、キャンプ場に近い県南部の店舗では、県外からの来店が増えているという。

 

 平成12年から取り組みを始めたオンライン販売は昨年、過去最高の売り上げを記録した。巣ごもり需要に加え、お盆や年末年始などの休暇中に帰省を控える人たちに地元の味を、と家族や友人が柿の葉すしを発送するケースも増えたという。

 

 田中妙子社長(43)は「昨年は販売が伸びたチャネルもあったが、トータルすると年間売り上げが前年比で2割程度ダウンした」と話す。

 

 オンライン販売の伸長を受け、今後さらに力を入れる。「おうちで楽しむ」をコンセプトに、SNSでの発信を通して販売促進を図る。オンラインショップでの企画やホームページの中身も魅力あるものにできるよう改良を重ねる。

 

 地域の食文化を次世代に伝える「柿の葉すし手作り講習会」などの各種イベントもコロナ禍で中止になっている。田中社長は「早く再開できれば」と期待。「収束後を見据え、今できることに取り組んでいきたい」と前を向く。

 

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