社会

旧満州で体験した戦争の事実描く

旧満州での体験を描いた藤井さんの作品=7日、奈良市朱雀6のならコープ朱雀店 拡大

 昭和14年、父の事業のため一家で旧満州国(現・中国東北部)に移住した藤井晴雄さん(84)=千葉県市川市=が同21年の引き揚げまでの記憶を描いた絵画を展示する「満州の思い出~私が体験した戦争の事実」が奈良市朱雀6丁目のならコープ朱雀店で開かれている。30日まで。

 ソ連軍の戦車が迫る中、関東軍が鉄橋を爆破したため自宅に戻れなくなった一家の姿など20点を15日まで展示。16日からは内容を変え、収容所での母の死や引き揚げの道中、弱者が犠牲となる惨状などを描いた20点を紹介する。

 藤井さんは戦後、東京ディズニーランド開場時のチケットデザインを担当するなど商業デザイナーとして活躍したが、旧満州での体験を描くことはなかった。「思い出したくない、忘れたいという思いが強かった」という。

 藤井さんが封印してきた記憶を作品として表現するきっかけは約10年前、所属する美術団体の展覧会に、凍った大地に母を埋葬し墓標に手を合わせる家族の姿を描いた作品を発表した時の反響だった。「多くの問い合わせや感想が寄せられ、伝えてほしい、知りたい、という人がたくさんいることを知った」と振り返る。

 今回の会場に設置されたノートにも「心が入った生きている絵。(絵を見て)ここまで引き継いできた方々の思いをどのように紡いでいくか考えている」などの感想が寄せられている。

 今回の展示は以前、藤井さんに絵の指導を受けた縁で奈良市の飯島勢津子さん(77)が企画。藤井さんはそれぞれの絵画にまつわる詳細な文章も執筆しており飯島さんは「素晴らしい絵に文章もしっかりと盛り込み、紙芝居などの形で多くの人に伝えることができたら」と話している。

 会場は同店内のコープふれあい広場「遊楽気(ゆらぎ)」。午前9時~午後9時開場(30日は正午まで)。無料。問い合わせは飯島さん、電話080(5020)0983。

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