社会

先人の偉業知って - オリジナル能、初上演/田原本記紀・万葉事業実行委員会

住民らへの感謝を込めて舞う寿椿の霊=4日、奈良市春日野町の奈良春日野国際フォーラム 拡大

 田原本記紀・万葉事業実行委員会は4日、観世流能楽の創始者とされる世阿弥と妻の寿椿の名が刻まれた納帳(土地台帳)を、研究家の故表章氏が田原本町の補厳寺(ふがんじ)で発見した史実に基づくオリジナル能「寿椿」を、奈良市春日野町の奈良春日野国際フォーラムで初上演し、動画収録を行った。動画は13日午後7時から、田原本まちづくり観光振興機構の公式ユーチューブチャンネルで公開される。

 能「寿椿」は、能楽研究者の表きよし氏が補厳寺に参詣し、同所に建てられた「世阿弥参学の碑」と寄り添うように咲くツバキを眺め、亡き父の章の偉業や、世阿弥と寿椿をしのぶ場面から始まる。そこへ田原本町内で能楽を学ぶ子供らがふんしたツバキの妖精が現れ、華やかに舞う。続いて寿椿の霊も現れ、碑を建てて供養した町民への感謝の意を込めて世阿弥の形見の衣装をまとって舞う。

 同実行委員会の服部誠委員長は「世阿弥と補厳寺の関係などは町民でも知らない人がいる。寿椿のことなど先人の偉業をぜひ、多くの人に知ってほしい」と切望。寿椿の霊を演じた能楽師の山下あさのさんは「能楽の流派はすべて奈良が発祥。この地で能楽が根付くことを期待している」と話した。

 田原本町では、住民の母親などがつくる「伝統文化を次世代へつたえる会」が子供対象の能楽教室を開き、観世流の能楽師が講師を務めている。

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