考古学

奈良のウワナベ古墳 同時発掘調査へ - 橿考研と市教委 11月に現地公開も/県、市、宮内庁

宮内庁と県、奈良市が同時に発掘調査を行うウワナベ古墳(右)=同市法華寺町(県立橿原考古学研究所提供) 拡大

 県は18日、奈良市法華寺町のウワナベ古墳(宇和奈辺陵墓参考地、5世紀中ごろ)で、10~11月に宮内庁や同市と同時に発掘調査を実施すると発表した。同庁と都道府県、市区町村の三者による同時の発掘調査は初めて。県と市は市共有地の周濠(ごう)部分、同庁は陵墓参考地の墳丘部分をそれぞれ調査する。同古墳では初の墳丘付近の調査になる。

 ウワナベ古墳は大王級の大型前方後円墳が築かれた佐紀古墳群の東端に位置。墳丘長255メートルで全国13位の大きさ。西側には造り出しがあり、周囲には盾形の周濠がめぐる。過去の調査では東側の堤で埴輪(はにわ)列を検出、北西側で堤と二重目の周濠を確認している。

 今回、県立橿原考古学研究所(橿考研)と市教育委員会が墳丘裾部の確認を目的に、市と法華寺町の共有地にあたる後円部北東側の周濠部分を調査する。橿考研は北東部に1カ所(200平方メートル)、市教委は北部と東部、くびれ部の3カ所(計42平方メートル)に調査区を設ける計画。地元の協力で、ため池として利用されている周濠の水位を下げて実施する。

 宮内庁は周濠の水で浸食された墳丘の護岸工事に伴う事前調査を行う。同庁によると、墳丘全体の13カ所で調査し、一部は橿考研や市教委の調査区と対応させる。

 陵墓参考地は原則外部の立ち入りを認めていないが、管理する同庁と、その周辺部を管理する地元自治体が同時に発掘調査する形は、堺市で実績がある。平成20年に御廟山古墳(百舌鳥陵墓参考地)、24年に土師ニサンザイ古墳(東百舌鳥陵墓参考地)で調査が行われた。

 今回は県も加わった同庁と奈良市の三者によるもので、橿考研は「同時に調査することで、得られたデータを検討できる。より精緻に墳丘の大きさを明らかにできれば」と成果に期待する。

 橿考研と市教委などは11月21~23日、発掘調査現場の現地公開を実施。周濠を渡って調査区を見学する。1日16~24回実施し、各回の定員30人。同22~23日には、周辺の古墳を巡り調査区も見学する「歴史ウオーク」を開く。両日とも午前と午後に開催。各回定員100人。また令和3年1月31日には、調査成果を報告する講演会も予定する。

 いずれのイベントも事前申し込み制。申し込み期間は、現地公開と歴史ウオークが9月30日から11月2日まで、講演会が12月1日から3年1月6日まで。橿考研、または市埋蔵文化財調査センターの各ホームページの専用フォームからか、はがきで申し込む。応募多数の場合は抽選。

 問い合わせはイベント受付事務局、電話0742(36)0007。

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