社会

ハーブで地域おこし - レモングラス栽培・加工/下市・平原地区

 かんきつ類のレモンに似た、爽やかな香り。口に含むと広がる、ほのかな甘み―。下市町の平原(へいばら)地区は、ハーブのレモングラス栽培と加工販売に力を入れている。特産品として認知度を高め、人口が減る集落に活気を取り戻す考えだ。

 標高約400メートルの山間部に位置する平原地区。江戸幕府8代将軍の徳川吉宗から命を受け、薬草の栽培が盛んだった歴史がある。

 下市町によると、同地区に暮らす人々は20年ほど前、100人を超えていた。だが、会社勤めの都合などから都市部への転出が相次ぎ、今年6月末時点では52人とほぼ半減。集落存続のため、歴史を踏まえて地区住民が思いついたのが、ハーブでの地域おこしだった。

 地区長だったシイタケ農家の北谷寿朗さん(61)が呼び掛け、6年前に「むらづくり委員会」を設立。兵庫県三木市や広島県福山市のハーブ園に足を運んで栽培方法を学び、住民らと勉強会を重ねた。

 問題は、数あるハーブ類の中から、地区ぐるみで栽培するものとして何を選ぶかだった。カモミールやタイムなど、住民がいろいろと栽培しながら検討し、選んだのがレモングラスだった。

 主に熱帯地方で栽培されるレモングラス。「春以降も肌寒い日がある平原地区は、必ずしも栽培に向いた土地とは言えない。一方で、寒さによって糖分が凝縮される利点があった」と、北谷さんは選定理由を語る。収穫や加工がしやすいこともあり、地区では2015年から、約千平方メートルの休耕田を活用して本格的に栽培を始めた。

 毎年4月下旬、子どもから高齢者まで総出で苗を植える。高さ1メートルほどになる8月に刈り取り、40~60度で乾燥させ、あめやハーブティーといった商品に加工していく。大半の住民が何らかの作業に携わっており、取り組みは交流を深める上でも一役買っている。

 「限界集落寸前と言われても誇りを持って暮らしていけるように、平原ブランドを広めていきたい」。北谷さんは笑顔を見せた。

 

▼ 記事の詳細は本紙をご覧ください

購読のお申し込み

ウェブ限定記事

よく読まれている記事

  • 興福寺中金堂再建記念 現代「阿修羅」展 図録
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • Tour guide tabloid COOL NARA
  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介

奈良新聞読者プレゼント

福田眉仙展の招待券

「富士五湖」絹本着色(六曲一双屏風)1936(昭和11)年 姫路市立美術館蔵
提供元:広報事務局
当選者数:5組10人
  • 購読のお申込み
  • バックナンバーご注文
  • 奈良マラソン
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • バナー広告のご案内
  • 奈良新聞デジタル
  • ならリビング.com
  • 特選ホームページガイド
  • 奈良新聞社 採用情報
  • ならどっとFM78.4MHzのご紹介