考古学

斜縁神獣鏡の破片 - 「造り出し」に石と円筒埴輪 有力者の墓か/富雄丸山古墳で出土 中国製銅鏡、墳頂部から

段築のある古墳の造り出しの斜面に葺石と敷石が状態よく残る富雄丸山古墳。右側には円筒埴輪列が並ぶ=28日、奈良市丸山1 拡大
富雄丸山古墳の墳頂部から発見された斜縁神獣鏡の破片(奈良市教育委員会提供) 拡大

 奈良市教育委員会埋蔵文化財調査センターは28日、同市丸山1丁目の国内最大の円墳「富雄丸山古墳」(4世紀後半)で、墳頂部から中国製銅鏡「斜縁神獣鏡」の破片が見つかったと発表した。「卑弥呼の鏡」とされる三角縁神獣鏡のモデルになったとの説もある鏡で、古墳の規模や立地などから地域の有力者の墓だった可能性が高まった。

 10月中旬から約255平方メートルを調査。出土した鏡片は長さ約3センチ、短い部分の幅約1・5センチ、厚さ約1ミリ。神像の脇侍の仙人像の一部と丸い突起があり、直径約16センチの斜縁神獣鏡の一部とみられる。

 斜縁神獣鏡は3世紀ごろに中国北東部から朝鮮半島北部の地域で製作されたと推定。国内で45面確認されているが、円墳では金比羅山古墳(京都府)など数例で珍しい。

 今月初めの発掘調査体験会で参加者の男性が発見。富雄丸山古墳出土と伝わる三角縁神獣鏡3枚が天理大学付属天理参考館に所蔵されているが、発掘調査で鏡片が出土するは初めて。

 また、墳頂部中心から東へ約8・5メートルに高さ約80センチの高まりを確認。「壇」と呼ばれる施設で、埋葬場所を示した可能性があるという。

 墳丘北東部に取り付く「造り出し」は外側に広くなる「ハの字」形と判明。平たん面には直径3センチ程度の石が敷き詰められ、直径約30センチの円筒埴輪(はにわ)が14本あった。墳頂部では儀礼で供えた食物型の土製円盤(直径2~2・5センチ、厚さ約0・5~1センチ)2枚や鉄器なども出土した。

 調査を担当した村瀬陸主事は、「場所は眺望がよく、交通の要衝。佐紀古墳群と同時期の築造で、政治的意図があったとみられる」と話した。

 現地説明会は30日午前10時から午後3時。少雨決行。問い合わせは、市教委埋蔵文化財調査センター、電話0742(33)1821。

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